遊(3) ガンプラとの出会い

 50歳を過ぎてからまたプラモデル製作にハマるとは思っていなかった。

 YouTubeでしばしばプラモデル制作の動画を見ていた。好きな軍艦だけでなく、戦車にフィギュア、そしてガンプラだ。

 3、4年前、健康のために始めたはずのウォーキングをやり過ぎて踵を痛めた時、歩いていた時間にプラモデルを作ってみる気になった。久しぶりなので、簡単にできそうなものにしよう、それから小学生の頃よりは上手に仕上げようと思った。その時目に止まったのが、ガンダムとザクがセットになったキットで、制作の基礎知識が紹介されているものだ。

 

 正直、ガンプラにはそれほど興味がなかったがちょうどいいだろう。スケールモデルを仕上げるのは大変だ。とりあえず安いニッパーも買って、モビルスーツを2体サクッと組み立てることにした。

 いざ作ってみると、合わせ目が気になる。接着して平らにしようとセメダインと紙やすりを買って仕上げる。モールドがはっきりするといいなぁ。ガンダムマーカーを買って墨入れなることをやってみる。仕上げに艶消しのスプレーをかける。気がつけば、まんまとガンプラの魅力に捕まってしまった。次々にキットを買っては作り、仕上げ方も凝り出して、工作の道具も塗料も増えていった。

 ガンプラの数が増えたので、100均で見つけたPET製のコンテナに2体ずつ入れて保管している。HGのガンプラを保管するにはちょうどいい大きさで気に入っている。

 テレビアニメに登場するロボットは、おもちゃも魅力的だった。まずは、「鉄人28号」。ブリキ製のおもちゃで、左右の足に単一乾電池を入れ、目を光らせ歩くやつを持っていた。電池が液漏れして動かなくなり捨ててしまったが、今持っていたなら相当価値があっただろう。次は「マジンガーZ」。超合金のおもちゃは有名だが、すでに軍艦のプラモ作りをしていたので、この高価なおもちゃは買うことはなかった。

 宇宙を舞台にしたアニメといえば「宇宙戦艦ヤマト」が中学生、「ガンダム」は高校生のころに放送されていたと思う。私はプラモを一旦卒業して、関心は音楽、ギターに向いていた。

 話を戻そう。こうして50代のおじさんのガンプラ収集・制作が始まり、やがてスケールモデルに塗装をすることもやりはじめ、ジオラマっぽいものを作り、そしてフュギュア製作にも手を出すことになる。

 さあて今日は、退職記念にいただいたガンダムのキット、 HG 1/144 RX-78-2 ガンダム [BEYOND GLOBAL] を作ることにしよう。

 きっと素組だけで満足してしまうだろう。