勇(4) 人間のプロ

 今日6月1日の仕事の教科書はプロゴルファーの杉原輝雄さんの「人間のプロになれ」というお話だった。

 TVのゴルフ中継での活躍を覚えているゴルファーというと、青木功プロ、尾崎将司プロ、中嶋常幸プロが最初だろう。大人になってもゴルフはやらないし関心も低いので、近頃はTV中継もあまり見ない。

ゲームでしかゴルフはやったことがない私

杉原プロはその前の世代になるだろうが、昔から知っていた。

  私は人は皆、生まれた時から”人間のプロ”になるという使命を担っているのではないかと考えている。人間であれば心があるのだから、挨拶もするし、相手への思いやりも当然持つことだろう。何も特別なことは必要なく、当たり前のことを当たり前にできるようになれば、その人は人間として立派なプロなのだ。

 これが、杉原さんのいう”人間のプロ”とは何かを示した部分だ。人間ならば同じような心を持っているという考え方を前提に、善良な心をもって当たり前のことが当たり前にできるようになることが人の使命だとういう。

 批判的に読むと、「心」と「当たり前のこと」が人それぞれ異なった多様な価値観が混在する現代人にはどれだけ響くだろうか、とも思う。

 私は杉原さんがプロゴルファーとしての学んだことの基づいて、こういう考えに到達したことは自然だと感じる。

 ゴルフは努力をしさえすればいい結果が得られるものではないが、どんな時でも一所懸命に取り組んでいないと、よい結果には繋がりにくい。その時その時において常にベストを求められるのは、人生においても全く同じではないだろうか。

 私は学校を卒業後、同じ分野の仕事を退職まで続けた。単純に結果の良し悪しを評価しにくい仕事だったこともあり、その時の仕事に愚直に取り組んで年を重ねてきたつもりだ。

 道を極める考え方は、日本人らしい価値観として多くの人が認めるものだと思っているが、この”人間のプロ”になるということも同じ考え方だろう。人として一流であることが最も大切なのだと杉原さんは教えてくれている。

 話の最後はこう締めくくられている。

 病気や年齢の壁に立ち向かい、自らに挑み続けることもその条件の一つであると思う。

 これから私がやっていこうとしていることへのエールをもらったようでとても嬉しく、勇気をいただいた。私は”人間のプロ”になるという使命を果たせるだろうか。