裕(19) エアコンが使えて幸せだ

エアコン掃除

 木曜日は我が家の掃除の日、ちょっと奥の方まで掃除機をかける。梅雨入りもしたので、そのうち除湿や冷房でエアコンを使うことになるだろう。今日、エアコンの掃除をしておこう。昨年は、かなり汚れが目立ったので、エアコンクリーナーも使って念入りに掃除をした。カバーを開けてみるとあまり汚れが目立たないから、今年は簡単に済ませそうだ。

 まずはフィルターを掃除しよう。昨年はかなりほこりがついていて、フィルターを洗って汚れを取ったが、今年は比較的汚れが少ない。冬にあまり使わなかったからだろうか。フィルターを外して、掃除機でほこりを取った。取り切れないところはガムテープを使ったところ、ほぼ気にならない状態になった。

 本体側はアルコールがふくませてあるウエットティッシュで汚れを取った。こちらも簡単に汚れが取れた。カビ止め・防臭スプレーをかけて終了。これですぐ使えるようになった。

この夏どのくらい稼働させる?

 夏の電力不足が心配されている。火力発電所の老朽化が進んでいること、二酸化炭素の排出を抑えるために火力発電所を簡単に増やせないことなどがニュースで流れていた。震災後に原子力発電所が稼働しなくなって電力不足になることは予想できたはずなのに、それに代わる発電所を造らなかったことが根本的な問題なのだが、後の祭りだ。

 最近のニュースで、熱中症を予防するために室温を下げることが必要だと言っている一方で、設定温度を高く設定してほしいという話もしている。室温は上げるのか下げるのか、どうすればいいのか。このまま各自の判断に任せることで、この国の電力不足は乗り越えることができるのだろうか。かといって、設定温度を守れなければ罰金という制度ができるのも困る。規則を守って熱中症になったのでは元も子もない。今の日本の夏にはエアコンが必要だ。

 つけたり消したりするのはかえって電力の消費が増えるとも聞いた。昨年は、出かけることがなければ、一日中使っていたいようにも思う。今年はどうしようか。

エアコンが使えて幸せ

 80年前の日本なら、網戸・蚊帳・うちわ・蚊取り線香で寝苦しい夜を過ごしていたはずだ。60年前でも、扇風機があるぐらいで、部屋の温度を下げることは難しかった。それでも私たちは、暑い夏を乗り切った。

 子供のころ初めて家にエアコンが付いた時、まるで冷蔵庫を開けてその前に座っているかのような涼しい風に喜んだ。その部屋だけ季節が変わったかのようだった。エアコンが使えて幸せだと思った。

 大人になって自分で家を建てとき、複数の部屋にエアコンをつけた。もうエアコンのない夏など想像できないようになっていた。我が家では昨年、倅の部屋のエアコンを買い替えた。今考えると、コロナで品薄になるかもしれないというリスクを偶然回避して、消費電力も減らせたことになった。とはいえ、同時に何台も稼働すると、ブレーカーは落ちてしまう。

 震災で計画停電を経験した。電灯がつかない不便さが身に染みた。万が一、暑い日に停電したらと考えるとぞっとする。エアコンが使えることは幸せなのだ。

 世界中にはエアコンのない家で暑さをしのぐ人はたくさんいるだろうし、日本にも少なからずいるだろう。私が享受している「エアコンが使える幸せ」は当たり前ではないことを考えると、複雑な気持ちになる。