悠(5) カレーを作る

 今日は、お気に入りの本を読んだり、久しぶりに折り紙を折ってみたり、家で静かに過ごした。

 天気予報のとおり、雨と雷の後は晴れる不安定な天気だったことが理由ではない。我が家の料理長が、昨日3回目のワクチン接種をし、今日は発熱等の副反応の症状が出てつらい様子だからだ。

 我が家では、日曜日の夕飯はカレーやシチューが定番になっている。今日は私がカレー作りを引き受けた。

 カレールーさえあれば、私でもそこそこの味のカレーができる。我が家では、2種類のルーを半々に入れていて、銘柄はその日の気分で決まるから、味は毎回違う。

 材料の分量は倅が喜ぶように肉が多め、水加減さえ間違わなければ大丈夫だ。カレーの箱に書いてある作り方と違うところは、弱火で煮るところをサーモスの真空保温調理器を使うことくらいだろう。時計を気にしながら、具材が煮えるのを待とう。

 子供のころ、カレールーは粉状だった。ヒデキが感激するカレーよりも大人向きで辛いカレーだ。そして肉は豚こまの一択、カレーだと肉屋にお使いに行くのがいやではなかった。カレーにはしょうゆやソースをかけて食べていた。自分で初めてカレーを作ったのは、小学校の時の学校行事、キャンプ場での夕食つくりだった。ご飯もカレーも水っぽかったように思う。

 時間がきたので、もう一度鍋を火にかけ、浮かんでいる灰汁を少しとる。沸騰したところで火を止め、ルーを割り入れて溶かす。それからまた一度沸騰させたら、再び真空保温調理器に入れて、夕飯の時間まで放置だ。

 どこの家でも、その家のカレーの味があると思う。我が家のカレーは、今日はどんな味なのか食べるまでのお楽しみカレーだ。今日のおやじスペシャルはどうだ!