遊(1) バルタン星人

 ここ十年間は仕事中心の生活だった。管理職という立場で毎日を過ごした。令和になって、自然災害や新型コロナ対応に追われる日々だった。

 定年退職となり、仕事に一区切りがついた。自分なりにやりきった感はあった。そして、退職後は、やりたいことをやっていこうと考えた。これから先は人生のオマケだ。還暦まで頑張ったご褒美だ。

 毎日を楽しむ。今を楽しむ。ブログもその一つ。

 

 退職記念に職場の仲間から素敵なものをいただいた。

 職場でバルタン星人のマグカップを愛用していた。退職の日が近づいて、隣の席の同僚に「ウルトラマンの怪獣で何が好きですか。やっぱりバルタン星人?ゼットン?」と尋ねられ、「ウルトラマンだったら、やっぱりバルタン星人かな。セブンだったらキングジョーというロボッが好きだけど・・・」

 退職の日、CCP1/6特撮シリーズの「宇宙忍者 バルタン星人」をいただいた。ソフビ製なんだぁ、足首や手首?も動く。ぎょろっとした目は複眼の表現までできているし、何より「着ぐるみ感」を感じてしまう造形は最高だと思う。

 昭和のテレビっ子だった。当時のテレビの特撮ものは大好きだった。ウルトラマンは白黒テレビでリアルタイム視聴、カラーテレビで再放送を見た。白黒で見たバルタン星人の記憶はカラーで上書きされてしまったが、「ウルトラQ」のセミ人間の目が動いた時の雰囲気が、このソフビにはある。

 ソフビの怪獣を買ってもらったことはない。ソフビの怪獣は友だちの家で遊ばせてもらった。子どもが生まれ、平成のウルトラシリーズウルトラマンティガのソフビ人形を買い与えた。ティガのソフビは昔のソフビとはできが違うと思ったが、このバルタン星人は全くの別物、対象年齢15歳以上のフィギュアとしての存在感にうっとりしてしまう。

 31cmと長身で、大きなハサミのポジションによってはポージングが限定されるのはやむを得まい。階段の途中で固まったアラシ隊員か背中をツンツンされるイデ隊員のフィギュアもあったらなぁと、飽きずに眺めている。

 映画「シン・ウルトラマン」が5月に公開されるという。バルタンではなくメフィラス星人が登場するらしい。バルタン星人は初代が最高なので新しい映画で見たいとは思わないが、懐かしい怪獣と新しい物語がリンクするこの映画は見たいと思う。