久しぶりの映画鑑賞
話題の映画「シン・ウルトラマン」を妻・倅と共に鑑賞してきた。夫婦子連れで映画鑑賞は十何年振りだろうか。
私は映画をそれほど観ない。戦艦大和のCGが見たくて行った菅田将暉さん主演の「アルキメデスの大戦」以来だ。
今回も特撮・CGへの期待は大きい。加えて、庵野さんの原作へのオマージュがどのように込められているのか楽しみだ。
私(昭和のテレビっ子、60過ぎの昭和の子供)はウルトラマンが大好きだ。
ウルトラシリーズはウルトラQもウルトラセブンもウルトラファイトもキャプテンウルトラもみんな見た。怪獣や星人が出てくる作品ならジャイアントロボもマグマ大使も光速エスパーも見た。ミラーマンもシルバー仮面もスペクトルマンも知っている。数ある特撮モノのTV番組中、私にとってウルトラマンは別格なのだ。
家族の感想
妻(ウルトラマンをうっすらと覚えている)
・面白かった
・そういえば真っ二つにされた怪獣が昔もいたかな
・TVドラマ1クール分が詰まったような感じ
・ジャニーズの有岡君、理系オタクの役、頑張ってた。
倅(平成ウルトラマンを知るオタク)
・面白かった
・外星人のデザインとか、キャラが庵野作品ぽい
・昭和のウルトラマンは大味というか・・・今作品はCG、スピード感が現代っぽい
・ゴジラもそうだったけど、ウルトラマンも原作へのオマージュを感じた
我が家では高評価である。楽しい時間を過ごせたことは間違いない。
私の感想
ストーリー
TV作品を知っているから、良くも悪くも比べてしまう。先読みして、概ね期待通りになるのは嬉しい。今回、禍威獣も外星人も地球人には手に負えない、強い、強すぎる。「科学特捜隊」があっても勝てないだろう。
しかし、昭和の子供は「カイジュウ」と「ウルトラマン」と「かとくたい」だけで話は進んでいいんだ。オレンジのユニフォームもジェットビートルもスパイダーショットも見たかった。自衛隊が怪獣と戦うシーンも見たかった。人間ドラマ的なところはその次でよかった。
作品には人間ドラマも必要だとわかっている。普通に映画が好きな人が納得できるような人間社会の匂いをつけたストーリに、懐かしい初代ウルトラマンの怪獣・星人の話を織り込んだ「空想科学ファンタジー的な作品」に仕上げていた。
TVドラマの展開、ウルトラマンが来て、地球人を事故死させ、命をシェアし、地球人のために戦い、事故死させた地球人を蘇らせて去っていく。ああ、骨組みは同じだ。昭和の子供が安心する展開はものすごく嬉しいよ、庵野さん。
キャラクター・デザイン
・ネロンガは怪獣らしくて「いいね」を押すよ
・外星人ザラブ、口元が相変わらず素敵?
・外星人メフィラス、痩せすぎだろ、ムキムキでいいのに
・ゾーフィ・ウルトラマン、カラータイマーなしでもいけてる
令和だから?「すらっ」としたスタイル。特に外星人は洗練されたデザインになっている。どことなくエヴァっぽいのは庵野さんらしさ?
出演者
・斎藤工さんのウルトラマン、山本耕史さんのメフィラスとも地球人じゃないよという雰囲気があった。地球よりもはるかに科学の進んだ星の人でしたね。
・長澤まさみさん、ヒロイン浅見役、ダンとアンヌの関係とは違うが、外星人に惹かれていく感情いいね、巨大化した時はフジ隊員より怪獣っぽい。
・西島秀俊さん、現場で頼れる班長、キャップと呼ばせてください。
・早見あかりさん、令和のフジ隊員は長澤さんじゃない、あなたですよ。
・有岡大貴さん、令和のイデ隊員、オタクだがすごく頭がいい若者を熱演。
・田中哲司さん、室長として現場を大事にしてくれる暖かさを感じた。部下に対するあたりの柔らかさは令和の上司。
それぞれが役のイメージにはまっていたと思う。
私は、映画を観るよりも役者を見たいとき(昔の高倉健とか)がある。
今日は、良い意味で役者について多くを語る必要はない。なぜなら、「ウルトラマン」と「かとくたい」と「カイジュウ」を見に行ったからだ。
特撮・CG・カメラワーク
撮影技術にそれほど詳しい知識がない自分としては、「着ぐるみ感」がある作品でもいいのだが、いや素晴らしい。ウルトラマンが戦うシーンは迫力もスピード感も十分で、美しいCGがスクリーンいっぱいに広がっていた。巨大化した浅見(長澤まさみさん)は特撮だ。もはや伝統・文化財、後々まで伝承してほしい匠の技、いいねぇ。
宇宙や異次元のシーンでは「フフーン」となってしまう瞬間があったが、地上での戦闘シーンは満足した。
人物を撮る角度、大胆で面白かった。対策室の中での会話、机越しとかで一人だけが小さく映る絵をつなぐシーンは、昔のウルトラシリーズでもあったのかも。
音楽・効果音
戦闘シーンで懐かしいウルトラマンの劇中曲が流れると無性に嬉しかった。これは昔見ていたウルトラマンかなと錯覚しそうなくらい戦闘シーンを盛り上げてくれる。
ウルトラマンに変身する時の効果音も同じだ。ウルトラマンはこうでなくちゃ。真っ赤なバックにウルトラマンの静止画が出て効果音が鳴ると、小さかった頃に引き戻される。さあ、ウルトラマンを応援しなくちゃ、頑張れウルトラマンとなる。
エンディングで米津玄師の「M八七」が流れる。いい曲だ。観客はエンドロールを見ながら、作品の余韻に浸っていた。
オマージュ
とにかく、TV作品のウルトラマンを知っていると楽しさが2倍位以上になる。あの場面はこうだっよな、そうそうザラブもメフィラスも変わんねえな、・・・。そう、この曲で戦うんだよ、ウルトラマンがんばれ〜。
今作品でウルトラマンが地球に来た理由はTVのそれと全然違うけれど、地球を守るウルトラマンに会えたことに変わらない。庵野さんありがとう。
娯楽作品はこうでなくちゃ
観たい映画は人それぞれ、映画に求めるものも人それぞれ。
話題作とか大人気作とか言われても、私は映画館に行かない。
ウルトラマンだから行った。それも、昔のウルトラマンが見られるかもしれないと思っ行った。
そして今日は「シン・ウルトラマン」を観た。楽しかった。
令和の時代にやってきた、ちょと懐かしいウルトラマンだった。
映画を見て感じることも人それぞれ。
私にとっては、空想科学ファンタジーの娯楽映画として五つ星の作品だった。いやーよかった。
60を過ぎた昭和の子供たちに、あの頃の無邪気な心で観てほしい。声には出せないけれど、昔のようにウルトラマンを応援してほしい。