悠(3) PCで音楽作りができるかなぁ

 私が買った2台目PC、X68000は当時のMacintosh(現在のMAC)と同じモトローラ社のCPUであるMC68000を採用し、国内他社のパソコンよりも早くGUIのOSを採用、マウストラックボールが付属したPCだった。趣味のPCだった。

 仕事でPCを使うようになると、選択肢はWindowsマシンしかなかった。趣味だけのためにPCを買うことがなくなり、周辺機器やボードを増設して多機能にすることも少なくなった。やがて、PCが貸与されるようになって個人のPCが仕事で使えなくなると、家で昔のように趣味で使うPCが欲しくなった。娘が学校で使うためにMacを買ったことがちょっと羨ましかったこともあり、WindowsマシンでなくMakBookProを買った。しかし、豊富なソフトを使いこなせず、7年を経過して動作が重くなり、今年になってMacBookAirに買い換えた。

 書店で、MacFan SpecialのDTMの特集号を見つけた。かつてX1にFM音源の増設ボードを追加したり、98ノート用のFM音源ユニットを買っていた私、PC上で音楽をいじるのが好きなオタクだった。私の中で眠っていた虫が目を覚ました。

 今からでもできるかなと雑誌を購入し、記事のとおりにMacにインストール済みのGarageBandを立ち上げていじってみると、ん!面白そうだ。ドラムパートを鳴らし、それに合わせて下手なギターを弾いてみる。懐かしい思い出が甦る。

 高校生の時、多分「初歩のラジオ」という月刊誌だったと思うが、リズムボックスの製作記事があった。友人と秋葉原に行って必要な部品を揃えて自作した。基盤に配線を描いて薬剤で溶かすという工程も含む、初めてで最後の本格的な電子工作だった。中学の時に簡単なラジオ製作はしたが、今思うと知識も技術もない学生がよくやったものだ。金がなく、納めるケースは買えないのでヘッドホンの空き箱を再利用したリズムボックスだった。8種類のリズムがあってボタンで選べる仕様、音はたいしたことはなかったがリズムボックスとしてちゃんと使えた。

 Macで作れるのはリズムだけではない。MIDIも使って曲を作ることもできる。これまでにない良い環境なのだから、トライしてみよう。思い立ったらすぐ行動することが肝心、楽器店へ行って手頃なインターフェースを探してこよう。

 購入したのが、steinberg社のUR22C。果たしてソフトもハードも使いこなせるのかはわからないが、時間はたっぷりある。熱が冷めることだけが心配だ。